太田巡査の指導をするのは、県警に2人しかいない「緊急走行」の技能指導官・阿部警部補(43)です。


運転しているときの目線や姿勢、ハンドルのさばき方、1つひとつの動作を細かく指導していきます。


広島県警 技能指導官 阿部響 警部補
「今ので4分10秒、ミスが2つ。気持ち的には? だいぶスピード上げて、7割、8割?」


太田陽平 巡査
「8割…」


阿部響 技能指導官
「8割? 8割で4分10秒となると、気持ち的には2割か3割かはほしいくらい。速度が足らんなと思って、クランクの中でアクセル踏んだじゃろ。あれ、ダメ。速度は手前で作っておいてコーナーリングしていって、終わって、その立ち上がりでやっとそこでアクセルを踏むという感じじゃないと安定感がなくなる」


太田陽平 巡査
「全然、遅いタイム。たぶん今、最下位ぐらいのタイムです」

阿部響 技能指導官
「やばい、追いついてしまう。しっかり手前で減速…」


阿部指導官は、コースの走り方を説明しながらでもノーミスで3分40秒で走り切りました。


幅2.5メートルのカラーコーンの間をジグザクに通る「狭路訓練」です。幅1.9メートルのパトカーで連続して通るのは至難の技です。


阿部響 技能指導官
「しっかり寄せる。しっかりギリギリまで寄せて。まだ早いやろ」

厳しく指導する阿部指導官ですが、若いころ、追いかけていた車が建物にぶつかる事故を起こしてしまったこともあったそうです。


追跡する側もされる側も事故のないことが何よりも大切さだといいます。


阿部響 技能指導官
「追うべきときは追うが、やめるべきときはやめるという、そういった判断を専科生には学んでもらって、現場で生かしてもらえたらなと思っています」


広島南警察署 太田陽平 巡査
「運転席に座って、カラーコーンを見ようと思っても見えないんですね、全然、見えない。甘かったなと思いますね、自分の考え方が」