10月31日夜から11月1日朝にかけての大雨の影響で、大量の流出した土砂や流木が岩手県大船渡市の漁港を埋め尽くしました。2月に発生した大規模山林火災の被害を受けた木や土砂の可能性が考えられ、放置しておけば出漁できない状態となっています。

大規模山林火災で被害を受けた三陸町綾里地区にある綾里漁港は1日、土砂や流木で埋め尽くされていました。特に黒く焦げた木の枝が多く、大小さまざまな木も海面に浮いていました。
被害の様子を確認するために港を訪れていた漁師の猪又芳男さん(89)は「大雨が降れば漁港に流木がくるが、これほど量が多いのは滅多にない。山林火災の影響で焼けた木が流れてきている」と話していました。
盛岡地方気象台によりますと、31日夜の降り始めから1日午前8時までの大船渡の降水量は125.5ミリを観測しました。

この雨の影響で山林火災の被害があった場所で倒れたままの状態になっている木や枝、土壌をつなぎとめる根の力が弱まったことで土砂が大雨によって港へ流れ込んだ可能性が考えれます。
猪又さんは「このままでは船が出せない。流木などが吸い込まれたらエンジンが故障してしまう」と眉をひそめていました。

このため地区の漁船組合は2日朝から共同で清掃活動を行う予定で、一日も早い漁の再開を目指しています。