被爆国・日本は不参加も… 同じ核の傘にあるNATO加盟国などは「建設的な議論をしていきたい」と発言
ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の川崎哲さんは、今回の締約国会議をこう総括していました。

ICAN 国際運営委員 川崎哲さん
「核兵器禁止から廃絶に向かう仕事が始まった日であり、高揚感を今、感じています。日本政府の不在というのは、非常に恥ずかしい状況でありまして。オブザーバー参加した核の傘の下にある国だけを数えても5か国いたわけですよね。(この国々は)今すぐ核兵器禁止条約に入らなくても、既存のNPT体制と補完関係にあるんだということを強調しながら議論を深めることが重要だと発言した。締約国会議の場で議論を深めることが、8月のNPT再検討会議にもプラスになるんだという姿勢をオブザーバーの国々は示してくれた。それこそ、岸田首相が言ってきた『核兵器国を巻き込む』や『橋渡しをする』そのものじゃないか」
青山高治キャスター
唯一の被爆国・日本としては、条約に参加していない訳ですが、せめてオブザーバーで参加してはどうかという声も多く聞かれた。同じ核の傘にある国もオブザーバー参加はしていたわけですよね。

小林キャスター
NATO(北大西洋条約機構)加盟国のドイツ・ノルウェーはいち早く参加を表明をしていました。直前になって、オランダ・ベルギー、そして、アメリカと同盟関係にあるオーストラリアも手を上げました。発表がギリギリになった理由は、それぞれあるようですが、関係筋によると、早めに言うと、横やりが入って参加しにくくなるから…という声もありました。
河村綾奈キャスター
横やりというのは、核保有国から…ということでしょうか
小林キャスター
おそらくそうだと。厳しい現実だと思います。
実際に参加した各国は、核兵器禁止条約には「参加しない」と明言するものの、「建設的な対話を進めていきたい」という発言をしています。

立場は違うが、核軍縮のための模索はしていきたいというもので、日本がやろうとしている「橋渡し」を各国がやっているのではないか。なぜ、日本はできないんだろうと思いました。
日本政府は、いろいろなところで慎重になっているとは思います。8月にはNPT再検討会議があり、日本の総理大臣として初めて岸田総理が参加しますが、その滞在期間、開催期間中に日本がどういう役割を果たすか見ていきたいですね。