東洋シート 木村瑞穂さん
「われわれ、シートメーカーとして直接、人を温められるのがシートヒーターなので、そのヒーターを武器にして、こういうふうな温め方をすれば、EV車でも快適を狙えますというような形で提案ができたらいいなというふうに考えている」


電気を消費すると、走行距離に影響します。暖房でいうと、ガソリン車はエンジンの熱をそのまま転用できますが、EVは電気エアコンを導入することになります。


多機能シートならではの課題もあります。


東洋シート 保木本淳 主任
「全て電気で動くようになっています。それぞれユーザーさんの体格が違いますので、その体格によって、さまざまな調整、位置を調整したりという機能がついているシートです」


さらに…。


保木本淳 主任
「電動化については、車体にバッテリーをたくさん積むので車体の重量自体がアップしていく。それに伴って燃費を上げるためにシートの軽量化がとても大事になってくる」


目標は30%の軽量化。これは、高いハードルだそうです。車の電動化は経費がかかるため、コスト削減も求められています。

渕上沙紀アナウンサー
「初めて産学官が連携したEV研究プロジェクト。主催しているのは、ひろしま産業振興機構です」


ひろしま産業振興機構は、県の外郭団体です。


ひろしま産業振興機構 長光寛晋 常務理事
「まだ、広島地域で本格的なバッテリーEVを開発したことがないという中で、われわれは、どのように対応していけばいいのか、悩まれている企業も多いと聞いています」


広島県は、製造業の中で自動車など輸送関係が大きなウェイトを占めています。


労働人口のおよそ4分の1、製造業出荷額は3分の1になります。

長光寛晋 常務理事
「自動車産業の割合が大きい広島県によって、この『100年に一度の変革』CASEに対応できないということは、広島県の経済や人々の雇用などにおいても大きな影響を及ぼすのではないかと考えています」

一方、100年に一度の変革は、大きな可能性も秘めています。東洋シートも新しい商品開発に期待を寄せています。