地域格差も?マンホールトイレ普及の実態

国土交通省のまとめによると、2024年3月時点で、広島県のマンホールトイレが585基。中四国地方では、岡山県734基に次ぐ2番目です。

広島県の自治体では、23市町中11市町で設置されています。

広島県内の「マンホールトイレ」設置の内訳
・広島市 237基
・東広島市 82基
・三原市  70基
・福山市  68基
・府中町  50基
・廿日市市 35基
・坂町   23基
・竹原市   9基
・海田町   7基
・熊野町   2基
・世羅町   2基

2018年の西日本豪雨で被災した坂町では、防災公園の整備にあわせマンホールトイレの数を増やすなど、各地で普及しています。広島市も毎年約20基ずつ増やしています。

紙、照明、消毒…トイレの備えは万全ですか?

マンホールトイレは、仮設トイレのように運搬する必要がなく、その場ですぐに組み立てて使用できるため、迅速な設置・利用が可能です。組み立てにかかる時間も約15分程度と短時間で済むため、緊急時にも対応しやすいのが特徴です。

また、段差がないバリアフリー設計となっているため、高齢者や障害のある方など、誰もが使いやすいという利点もあります。水洗式であるため臭いが少なく、衛生的な環境を保つことが可能です。

一方、マンホールトイレには課題も存在します。広島市では下水道管の耐震化はされていますが、浸水時には使用することができません。

また全国的に見ると、内側からの施錠・荷物置き場の設置・夜間照明の設置など、利用環境の整備が不十分な自治体が多いのが現状です。

そのため、日頃からのトイレの備えが大切です。

▽トイレットペーパーは、家族の人数と日数を考慮して、多めに用意しておきましょう。
▽停電時に両手を空けて使える、ヘッドライトやランタンなどの照明も準備しておくと便利です。
▽感染症予防のため、手指消毒用のアルコール消毒液なども備えておきましょう。