後輩に伝えたいこと そして、どうしても行きたかった場所

初めて母校での証言。真剣に大橋さんの話を聞く後輩たちに、こう呼びかけました。
大橋和子さん
「あれから80年という年月が経ちました。でも昨日のように、いつまでも消えることはありません。
今後、何があっても絶対に戦争だけは阻止してください。戦争は、人間が人間でなくなるんです。知性も、理性も、判断力も、理解力も何にも無い、人間の形をしたモノになってしまう。みなさんの大切な家族をこんな目に遭わせては絶対にいけません。
どうか皆さん、あなたたちは若いんですから、今後いろんなことがありますが、戦争だけは絶対にしてはいけません、お願いします」

後輩たちへの証言を終えたあと大橋さんは、校内のある慰霊塔に向かいました。そのそばには、あの日、命を奪われた生徒の名前が刻まれています。
「やっと来たよ。ありがとう。あたなのおかげで、いま生きています」。さする手の先に刻まれた名前は、あの日、隣にいた友人です。
12歳で被爆した大橋和子さん
「もう80年、ずっと会いたかったんです。それがやっといま会えた。あの子のおかげで、いま生きているんだっていう気持ちがずっとあった。何度も来たかったが、病気したりとかいろんな事情で来られなかったんです。でも、今日やっとこれました。安心しました」
被爆から80年。大橋さんは、これからもあの日の記憶を伝えていくつもりです。


































