たった3週間で事業承継が決まる、その背景とは
女将 山川正子さん(82)
「私たちも80歳になりますし、それを引き継いでいく方がだんだん少なくなってきて、おでん屋さんも」
おふくろにも当初、後継者がおらず、山川夫婦は県の支援センターを通じて、後継者を探していました。するとある企業から手が上がりました。
女将 山川正子さん(82)
「沖縄おでんは沖縄文化として残していきたいという気持ちが一緒です」
「おふくろ」の経営を引き継ぐのは、ステーキチェーンの「やっぱりステーキ」などを運営するディーズプランニングです。
ディーズプランニング 義元大蔵代表
「40年以上の歴史があるので、それをしっかりと受け継ぐこと、引き継ぐことが1番大事で『沖縄に行ったらどこに行ったらいいんだ』という質問もありますし、それだったらこういうおでん屋さんあるよとか、その一角を担えるようなお店をPRできたらなと思います」

引き継ぎ手が見つからない店舗が多い中で、「おふくろ」の事業承継は3週間という早さで契約に至ったといいます。
県事業承継・引継ぎ支援センター 上地文人さん
「特に事業譲渡というのは色々な権利もありますので、早くても数か月、長いものは1年くらいかかる場合もあります。これは『おふくろ』の想いと、義元代表取締役の受け入れる気持ちがマッチングできた良いケースだと思っています」

「おふくろ」のおでんは、出汁がしみ込んだてびちやチマグ、大根など47種類。若女将としてこの味を受け継ぐのは、ディーズプランニングの知念さつきさんです。
若女将 知念さつきさん(52)
「味をその都度チェックしてもらって、あとは時間配分とか、どのタイミングとかっていうのがあるので、それを普段からメモしながら。で、毎日味見をする。この味だよっていう形で、何グラムってはかっていないんですよね。おおよそこれくらいっていう形で」
女将の正子さんが作る料理にレシピはありません。若女将は、正子さんが長年の”感覚”で作りあげたおふくろの味を、自分の身体にしみ込ませて覚えていきます。
女将 山川正子さん(82)
「若女将はすごく料理も上手で熱心で、すごい意気込みで安心しています」

味だけではなく、居心地の良いお店の雰囲気もそのまま受け継ごうとしています。
若女将 知念さつきさん(52)
「オープンを前に多少緊張もあります。でも今日も山川夫妻に来ていただけるので、お客さんとの橋渡しをしていただけるかなと思っていて、そのお客さんとも末永くお付き合いさせていただければいいなとは思っているんですけど」