アメリカ・CBSテレビの看板報道番組で予定されていた特集企画の放送が急遽中止され、特集を担当した記者が「政治的な判断だ」と批判しているとニューヨーク・タイムズが報じました。
CBSテレビの番組「60ミニッツ」は、21日に放送を予定していたエルサルバドルの巨大な刑務所に強制送還され、虐待を受けたと訴える移民を取材した特集企画について、放送のわずか数時間前に中止すると発表しました。
ニューヨーク・タイムズは、この決定をめぐり取材を行った記者が同僚に対して送ったとするメールを入手。
その中で、記者は「弁護士や編集基準を担う部門が特集を5回審査し、承認された」として、「事実関係は正確で、その上で放送をやめるのは編集上の判断ではなく、政治的な判断だ」と批判しました。
放送中止の判断をしたのは、10月に編集部門のトップに就任したバリ・ワイス氏で、数日前から特集の内容に懸念を示し、トランプ政権で移民政策を担う高官へのインタビューなど、追加取材を求めたということです。
一方、記者はホワイトハウスなどにコメントを求めたものの拒否されたとして、「政権が取材に応じないことを理由に報道を中止することが正当化されるなら、私たちは政権にとって都合の悪い報道を止めるための“スイッチ”を事実上、手渡すことになる」と同僚あてのメールで記しました。
CBSテレビは、「追加取材が必要なため、後日、特集は放送される予定だ」としています。
この番組をめぐっては、トランプ大統領が去年の大統領選挙の際、自身に不利な報道があったとして訴訟を起こしたほか、今年に入っても度々、番組内容を批判していました。
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