「店の良さが崩れかけ、残すのは厳しい」別の人気店も苦しい胸の内

那覇市前島の『ハイウェイ食堂』もまた、安さとボリューム、そして24時間営業で人気の店でしたが、2023年4月から休業。ついに9月、閉店を発表しました。
理由のひとつが“人手不足”です。
苦渋の決断をした2代目の照屋瑞紀さん。
先代で父の秀末さんが2022年6月、病気により急逝したため、引継ぎも何もないまま手探りで、運営に携わることになりました。
瑞紀さんは系列店で、同じく24時間営業の『いちぎん食堂』にスタッフを回すことに決めました。
一銀企画 照屋瑞紀専務(28)
「ハイウェイ食堂を一度閉めて、ハイウェイ食堂のスタッフをいちぎん食堂に、ちょっと回してもらってもいいかなということで」

さらに、営業時間を、朝7時から午後3時までに短縮しました。
一銀企画 照屋瑞紀専務(28)
「ギリギリの人員で回しているので、お店を。時間を絞って営業したほうがいいのかなという苦渋の決断をした。お客さんには嫌な思いをして帰ってほしくないので」
それだけでは足りず2023年4月からは、スキマ時間に働くアルバイトの仲介アプリを利用して、時間単位でホールスタッフを確保。手数料は人件費の30%と、大きな負担がかかります。
一銀企画 照屋瑞紀専務(28)
「人が少なければ少ないほど、うちが多く金額を払わないといけないみたいな」
一方、人手不足を補うための券売機で、思わぬ悩みも…

券売機の内容変更にかかる費用は1つの品目で500円。原材料の値上げが続くなかで、容易に、価格の改定に踏み切ることができません。

一銀企画 照屋瑞紀専務(28)
「全部のメニューの値段を変えるってなったら、2万~3万円くらいになるので、だから簡単にしょっちゅう値上げというのも、タイミングを見計らってやらないといけなかったりします」
「どんどん周りの食堂が無くなってきている状況下で、時代に合ってなかったりするのかなと、考えてしまうことも正直あるんですよ。うちが元々売りだった、安くでボリュームたっぷりで、いつでも食べられるっていう、その唯一の良さがそもそも崩れかけてきている時点で、残していくっていうのは厳しいのかなと思っていている」
地元の人や観光客にも愛されている大衆食堂。今、店主の志だけでは守り抜けない厳しい状況におかれています。