出ない言葉を「ずっと待つ」リハビリ

狩俣さんは、リハビリを支える松田さんについて「本当にすごい人」と尊敬の念を口にする。松田さんがとことん訓練に付き合い、「答えを急がない」からだ。

狩俣アナと言語聴覚士の松田真梨子さん(右)

狩俣 「(松田さんは)とても根気があってね。僕が言うまでずっと待つんですよ。ある程度待って、分からないと思ったらすぐ答えをあげる、という感じではない。本当にずっと待つ。この人は真剣、この人なら一緒にやっていけると思いました」

そうしていると、リハビリは予定の1時間を超えて、1時間半、2時間と続くこともあった。
松田さんが狩俣さんの発語を待ち、答えを与えなかったのは、厳しさであると同時に、狩俣さんの可能性を信じる姿勢の表れでもあった。

急性期病院である那覇市立病院で約1か月半の訓練を終えた狩俣さんは、別の回復期病院に転院した。ここでは毎日3コマ、みっちりとリハビリが行われた。

狩俣 「朝6時に目覚めて。僕はそれまで6時に目覚めたことないんですよ本当に。6時に帰るってことはあったんですけれども(笑)」

闘病初期につけた日記 言葉がまだ完全ではない

人生が変わった。
早朝6時に起床し、2時間の自主訓練。五十音を書き、平仮名を書き、九九を読む。朝食後、語学訓練2コマと身体のリハビリ1コマの計3時間。午後4時に終わってシャワーを浴び、6時に家族が面会に来る。8時に家族が帰った後は、映画などを見て過ごす。

狩俣 「それはもう楽しかったんですよ。そういうリハビリをやってきました」