基地門前の繁華街 犯罪抑止のための街灯を設置した

米兵の事件・事故をなくすために、手段を講じてきた吉田さん。ゲートに面した社交街、「新開地」には街灯を付けた。

しかし2016年、またもや悲しい事件が起きる。元海兵隊員で軍属の男が、うるま市で当時20歳の女性を殺害した。

忘れない決意

米軍属が殺害した女性が遺棄された現場

吉田さんは、女性の遺体が見つかった場所に毎年、献花台を設けている。9年経った今も、毎週のようにこの場所に通い、清掃を続けている。

「忘れてはいけないよと。30年前の大衆の(怒りは)何だったのと」

事件を忘れまいと 献花は今も続く

「2016年、暴行され遺棄された殺人事件の場所にいつも花束を捧げて、忘れない。そして、繰り返させない。それを決意しないといけないよと。それが一番大事でしょ。それをやることによって、みんなが忘れない」

30年前、沖縄の日本復帰後では最大規模の抗議集会となった県民総決起大会。この事件によって県民の怒りはうねりとなり、普天間飛行場の返還合意に向けた動きへと進むこととなる。

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県内では今も米兵による少女や女性への暴行事件などが相次ぐ。30年前の事件を受けて吉田さんが始めた講話は今年4月には現職の仲間町長が行っていて、再発防止の取り組みは続いている。

シリーズ「あの怒りは今」、次回は日米地位協定の問題について考える。