師走に入り、沖縄でも衣替えの季節を迎えているが、一部では、寒さへの備えとは違った意味での “装いの変化” が広がっている。
「沖縄海邦銀行」は今月から、全役職員を対象に「ドレスコードフリー」を導入した。働きやすさの向上と、より親しみやすい金融機関づくりを目指してのことだ。
同行は従来、男性はスーツ、女性は制服が原則だったが、2019年にネクタイ着用義務を撤廃、2022年には女性の制服を無くすなど、段階的に服装ルールの見直しを進めてきた。
今回、ドレスコードフリーの導入で、ニットやスニーカー、控えめなアクセサリーの着用も可能になった。「信頼・清潔・安心」を前提として、服装は全役職員で “自由” だ。
短パンやダメージジーンズ、透明感のある素材などは不可とする最低限のルールにとどめた。同行は「自分でTPOをふまえた装いを考えることが、柔軟な発想や能動的な働き方につながる」としている。
幾何学模様のブラウスが目を引く、入行29年目の女性、上原さん(50)は、3年前の制服廃止から振り返り、「制服の管理が不要になり、身支度が約30分短縮された」と話す。
さらに「スニーカーは動きやすくなり、身体の負担も軽減されるのでありがたい。今後はピアスにも挑戦したい」と声を弾ませた。
入行16年目の我如古さん(38)は、「銀行員は慎重な人が多いので、大きく外れることはないはず。許される範囲で新しいコーディネートに挑戦したい」と笑顔を見せた。

人事総務部の山里和弘さんは「制服は便利な一方で、お客さまと距離を感じさせる面もある。より親しみやすい銀行として受け止めてもらいたい。自由度を高めることで採用面でもプラスになると期待している」と語った。








