陸上自衛隊とアメリカ海兵隊が今月実施する共同訓練で、与那国島への高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などの展開を取りやめ、訓練規模を縮小することが分かりました。
陸上自衛隊とアメリカ海兵隊は今月11日からの2週間、離島防衛を想定した共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」を九州や沖縄などで実施します。
訓練では与那国島にアメリカ軍の攻撃型の兵器である高機動ロケット砲システム「HIMARS」とMV-22オスプレイを展開する予定でしたが、防衛省関係者によりますと、地元の理解を得られなかったことから、展開を取りやめる方向でアメリカ軍と調整しているということです。

先月就任した上地与那国町長は事前に防衛省に対して「HIMARS」とオスプレイの展開を取りやめるよう要請していて、沖縄防衛局は5日、与那国町役場で町長に訓練の内容を説明しました。
上地与那国町長
「懸念する町民への一定のご配慮があったのかなという風に思っております。実感として今ほっとしているところです」
沖縄防衛局 下幸蔵・企画部長
(町の意向をくんだ?)
「まさに町長就任されてからですね、この日米共同訓練のお考えというのは色んな場でも述べられておりますし、我々もそこはしっかり承知しているところでございます。色んな事を総合的に踏まえて検討した結果として、今回ご説明した訓練の内容になっているところでございます」

防衛省によりますと、与那国島では今月20日からの4日間、与那国駐屯地内での患者の治療いわゆる「衛生訓練」のみを実施する計画です。
5日午前、沖縄防衛局は県に対して訓練の内容を説明しました。
訓練には、自衛隊からおよそ1万4000人が、アメリカ軍からおよそ5000人が参加し、沖縄本島の駐屯地やアメリカ軍基地、石垣島で地対艦ミサイル「NMESIS(ネメシス)」が展開される予定です。
過去最大規模となる訓練の開始まで1週間と迫ったなか、沖縄防衛局から説明を受けた県は、「説明を早めにしなければ市町村や住民に周知ができない」と伝えたということです。