7月20日に投開票を迎える参議院選挙。沖縄選挙区からは5人が立候補し、各候補が連日、自身の政策を訴えている。一方で、沖縄の本土復帰直後、70%台が当たり前だった投票率は低下の一途をたどり、前回3年前の参議院選挙で50.56%、去年の衆議院選挙では49.96%と、県内の有権者のほぼ半分が投票しなかった。今では全国平均と比べても低くなる選挙も珍しくない。

「自分が投票に行っても結果は変わらない」「誰を選べばいいのかよくわからない」

投票に行かないそうした理由は何となく想像がつくし、共感する人も多いだろう。では、そもそもなぜ投票率は高い方がいいのか。一歩立ち止まって考えるべく、専門家に話を聞いた。

松林哲也教授(大阪大学大学院・国際公共政策研究科)は、投票率が高い方が良い理由を、投票する有権者としない有権者それぞれの「特徴」に着目して説明する。

大阪大学大学院 松林哲也 教授
「一番問題なのが、経済的な特徴。基本的に日本を含めてどの国でも言われているのが、豊かな人ほど投票に行き、貧しい人ほど投票に行かない。そこにすでに経済的な格差、不平等が存在するんです」

「政治家の行動原理としては、次の選挙のことを考えたら、次回も投票に行きそうな、経済的に豊かな人たちが望むようなことを実現しておけば、次、彼らがまた投票に行って、自分たちに投票してくれるかもしれないというような考えになる。結局投票に行く人が豊かなら、豊かな人が望む政策が実現され、それが繰り返される。もともとあった“不平等”がさらに増幅されてしまう」