宮城さんは罪を問われることも覚悟して。当初は梱包していた廃棄物をさらし、多くの人たちが注目する場所へ。ことし5月15日に行われた、沖縄本土復帰50周年の記念式典が行われた会場の外でも宮城さんは声をあげていました。



宮城秋野さん
「米軍の実弾です。日用品です。警察は回収もしない。日本政府もそれを隠ぺいしようとした…。(いま実弾があるが)何でお巡りさん、反応しないんですか?」

こうした行動の延長線上にあったのが、県知事選挙の出来事でした。

宮城さんの本を出版した中村之菊さん
「(宮城さんが)法律的に抵触するのであればそれは仕方ない。でも宮城さんがそうであれば、国家という暴力に対してもきちんと制裁を与えるべきで。じゃないとイーブンじゃない」

中村さんは、私たちにも問いかけます。



宮城さんの本を出版した 中村之菊さん
「宮城秋乃さんという人を黙認したり、あるいは米軍廃棄物がどんな状況なのか知っているのに、何もしなかった人たちも責められるべきですよね。その罪の名前がないだけで、裁かれないだけの話。でもそういうものを全部背負っちゃったのが宮城秋乃さんじゃないの?」

去年まで、右翼活動の一環として、沖縄のアメリカ軍基地反対を訴えてきた中村さん。当時の帽子には右翼とはかけ離れたクマのブローチが。付けたきっかけは宮城さんの一言でした。

中村之菊さん
「(宮城さんが)なんかユーモアがあった方がいいんじゃないということで。沖縄で被るんだったら、クマを付けたら、フワッとなるというか。ユーモアというのは、すごく閉ざされた境目を消し去ってくれるものなんだと。(宮城さんには)本当に育ててもらった」

『抗議活動にはユーモアを』。そう話してきた人が起こしたユーモアとはかけ離れた行為。”その過程”をこそ見つめるべきだと、中村さんの著書『抵抗』は問いかけます。