旅立ちの春。3月25日、琉球大学で卒業式が行われ、1700人が新たな一歩を踏み出した。卒業生の一人、森根絹代さんは、17年間県内の児童養護施設で育った過去がある。新たな決意を胸に、この春社会人となる森根さんに今の心境を聞いたー

「卒業証書学位記、森根絹代。おめでとうございます」

琉球大学の卒業式。笑顔で卒業証書を受け取る森根絹代さんがいた。



森根絹代さん:
「独り立ちをして大学生になって4年間、自分が挑戦したいことに自分の判断で挑戦できた。機会にも人にも恵まれた4年間でした」

“環境に感謝したい” と大学生活を振り返る森根さんは、1歳半のとき児童養護施設に入所し、施設を出る18歳までの17年間を「島添の丘」で過ごした。

「小さい時は泣いていました。おじいちゃん、おばあちゃんっ子だったんですよ。ずっと面倒をみてくれていたのが祖父・祖母だったから、急に離れたので『じーじ!ばーば!』と泣いていて、寂しかったのかなと」

児童養護施設での生活(提供)


南城市にある児童養護施設「島添の丘」を卒園した後は、琉球大学・国際地域創造学部に進学。新型コロナ禍で入学当初はほとんどがオンライン授業で不安も大きかった。