学費のために給料を前借り 金井を支えた夫・儼四郎さんの存在

夫の儼四郎さんの支えを受け、27歳のときに東京音楽学校に入学した金井。

所蔵 宮古島市総合博物館




資料の閲覧に立ち会った金井の義理の娘・幸子さんは、夫婦から聞いた苦労を振り返りました。

▼義理の娘・金井幸子さん
「父も偉かったと思います。自分も音楽的なものはやりたい、でも自分は音楽に向かないから、喜久子のことを全部支えようと。お金もあったわけじゃない。こんなところでお話しすることではないですけど、昔はお給料を前借りできましたでしょう。本当は貧しいけれど、いろんなことをやった」

金井家の苦労を間近で見てきた幸子さん。母校で響くその音色に母を思います。



▼義理の娘・金井幸子さん
「やっぱり母は素晴らしい女性だったんだなって。最後は改めて涙が出ました。感無量だし、『お母さん良かったね』と伝えたいです」

▼金井喜久子プロジェクト発起人 宮城さつきさん
「母校で聴く金井喜久子メロディーは全然違うなと。金井さんもこの中で必死になって頑張ったんだなというのがひしひしと伝わってきて、改めて誇りに思いました」

新たに分かった真実も参考にして、金井プロジェクトはこれからも金井メロディーの探究を続けていきます。

【キャスターメモ】
これまで東京音楽学校の作曲科に入学したのは、日本人女性としては金井が初めてなのではないかと一部で語られていて、RBCでもお伝えしてきました。しかし今回、東京芸大の資料から、金井が入学する前にも女学生が在籍していたことが分かりました。金井喜久子に直接つながる資料が見つかったことで、その生涯や音楽性についてより正確に研究が進んでいくことが期待されます。
金井プロジェクトは2026年まで、様々な企画で発信を続けていくということです。