行動制限が緩和され行楽客が戻ってきた沖縄の観光地やビーチ。一方で水難事故は過去最多ペースです。

沖縄県警によると、今年入って8月21日までに64件の水難事故が発生。うち27件が死亡事故となっています。今月17日から21日の5日間に5件の死亡事故が発生しています。

特にマリンレジャー中の海難死亡事故は19人にのぼっていて、このうちシュノーケルによる死者数は6人と最多となっています。

シュノーケル事故といえば、水中に沈んでしまったり、水を飲んでパニックになり溺れてしまうことなどが想像されると思います。もちろんそういったケースは少なくありませんが、実は持病が絡んで事故に繋がるケースが増加傾向にあり、県内では今年持病に関連した死亡がすでに3件発生しています。

シュノーケリングは慣れていない人にとっては想像以上に体力を使う、過激な運動にもなりえます。血圧や心拍などが大きく変化することから体への負担が大きく、リスクが高い病歴は少なくありません。

例えば高血圧、肥満、高コレステロール等の生活習慣病の場合、動脈硬化が進んでいる可能性が高く、冷たい水や緊張感等で血圧が変化するマリンスポーツでは、脳梗塞、心筋梗塞、くも膜下出血等が発生するリスクが高くなり、高血圧に起因した肺水腫などの死亡リスクがある症例も少なくありません。

心臓病などの循環器系の病気もまた、緊張感や冷水などの影響により血圧や心拍に大きな影響を及ぼし、大きな事故に繋がる可能性も高いとされています。

このほか、肺の病気や発作が出る病気などリスクが高い病歴は多く、マリンショップなどがシュノーケルツアーを行う際には、リスクの高い病歴を「病歴・診断書」でチェックするほか、健康状態の確認などが義務付けられています。

シュノーケルは手軽に楽しむことができるマリンスポーツである一方で、実は多くの危険がはらんでいることを忘れずに、体調不良の際にはレジャーを中断し、1人では行わないことや救命胴衣をつけるなど命を守る行動をとることが求められています。