▽在沖米総領事館 ケビン・メア総領事(当時)
「八重山の方では、この地域も日本の防衛に重要な地域。日本の防衛に貢献している、“これからも貢献する用意がある”と示すことですから、(寄港は)良いことだと思います」

当時、アメリカ海軍は入港目的を友好親善のためとしていたが、のちに、有事を念頭にした港湾利用の調査が目的だったことが明らかになっている。

在沖米総領事館 ケビン・メア総領事(2007年当時)

その後、与那国島には自衛隊の駐屯地が開設され、2年前に初めて日米が共同で訓練を実施。そして現在では、与那国駐屯地に新たなミサイル部隊の増強が計画され、今年5月にはエマニュエル駐日米国大使が視察に訪れた。

7月には、日米の外務・防衛閣僚会議「2プラス2」で、南西地域での抑止力・対処力の向上が約束された。

日米「2+2」でも“南西地域の抑止力”向上に言及

▽猪股哲さん
「抑止力というのは、漠然とした国とか国体とかって言われるものは守れるのかもしれないですけども、住民の命を守るものではないということを重々深く理解していただきたいと思っています」

近隣諸国の動きを理由に軍事的な連携を加速させていく日米両国。住民の不安や懸念は置き去りにされたままだ。

猪股哲さん


<記者の視点>
人口約1700人の小さな島で軍事的な動きが活発化することは、住民1人ひとりの暮らしに少なからず影響がありますが、政府による丁寧な説明はないまま、南西地域における抑止力や防衛力の強化が進んでいます。(取材 平良優果)