南城市・垣花の「垣花樋川」(かきのはなひーじゃー)は、日本の「名水百選」に選ばれた、天然の美しい湧水です。

夏には、多くの子どもたちが水遊びを楽しみます。しかし・・・湧水のすぐそばまで、危機が迫ってきています。「ツルヒヨドリ」です。

まるで、鳥のような名前ですが、在来の植物に覆いかぶさって枯らしながら繁殖するツル性の植物です。農作物などに被害を及ぼすなど、環境に悪影響が大きい外来種として、「特定外来生物」に指定されています。南北アメリカの熱帯地域が原産の「ツルヒヨドリ」は、ハート形を少し鋭くしたような葉っぱが特徴です。

猛烈な勢いで繁殖し、1日に10センチ成長するとも言われています。在来の植物に覆いかぶさって枯らすことから、国際自然保護連合により「世界の侵略的外来生物ワースト100」にもあげられています。

折れたツルが地面に触れただけで根が定着 驚異的繁殖力

沖縄奄美自然環境事務所 吉村 正志 外来生物企画官
「覆うものによって害は違うんですけど、植物であれば下にあるものが枯れてしまう。本当北部ならシークヮーサーの木に被さっちゃって、収穫量が落ちるとも聞いていますし、電柱に絡みついてしまえばショートしたりとかもするでしょうし。覆ってしまうこと自体、広がってしまうこと自体が、困ったことになります。度が過ぎると」

折れたツルが地面に触れただけで、そこから根が出て増えるほど驚異的な繁殖力。
また、綿毛のついた種は、風で遠くまで運ばれていきます。

このツルヒヨドリへから名水が湧く美観を守ろうと今年4月、垣花樋川で、ツルヒヨドリを駆除する実証実験が行われました。発起人は、琉球コーヒーエナジー代表の高木伸明さん。3年前に琉球大学農学部の研究員となり、現在、大学発のベンチャー企業の代表を務めています。

高木伸明さん
「ツルヒヨドリという植物は、沖縄の在来植物も、すべて駆逐してしまうくらいの力があります。本来ここにいるべき植物ではないので、しっかり駆除をしていくということが大事だと思っています」

除草剤などの薬品を使うことが多い雑草の駆除。しかし、高木さんがこだわったのが・・・