2021年1月、県立コザ高校で空手部の主将を務めていた当時高校2年の男子生徒が、自殺した問題を受け、第三者委員会の調査報告書が先週金曜、県に提出されました。記者会見で第三者委員会は何を語り、どんな問題点が指摘されたのでしょうか。
様々な不適切で理不尽な指導を受けた男子高校生

男子生徒Aさんの死からおよそ3年。コザ高校で空手部の主将を務めていた男子生徒は、なぜ命を絶つほど追い込まれたのか。調査を行った第三者委員会は、男子生徒の自死の原因を「前日にあった顧問からの理不尽かつ強烈な叱責が大きな要因」だと結論づけました。
第三者委員会 古堅豊委員長(弁護士)
「顧問と部員という主従関係を超えて支配的要素。まさにそういう関係が出来上がっていた中で、(自死の前日)1月28日の言動が彼にとって、自死に向かう大きな原因になったんだと考えています」
死の前日、顧問に勧められ通っていた道場に行くことをとがめられたAさん。残って部活をすることを伝えても「キモイ」「ウザイ」といった暴言を受けました。

Aさんは顧問の指示にいくら従っても認められることはなく、矛盾した要求やメッセージを日ごろから受けていたといいます。
顧問のこのような指示を「ダブルバインド(二重拘束)」だと報告書は指摘し、Aさんはどちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安を覚え、否定的な感情が生じた可能性を報告書は指摘しています。
第三者委員会 古堅豊委員長(弁護士)
「彼は様々な不適切な理不尽な指導を受けていく中で、追いつめられていった。自死の原因となったパワハラ的な教員による不適切な指導がなかなか改善されない、後を絶たない。これは一体なぜなのだろうかと。教育に携わる多くの方々の中で、まだ子どもの権利に関する意識、人権意識がまだ醸成されていないのではないかと」