「最終的な責任は大人にある」170ページを超える報告書

今回公表された調査報告書は45ページの概要版ですが、報告書本体は170ページを超え、資料を加えると200ページを超えるものだということです。

こうした問題で遺族の支援を行い、第3者委員を務めた経験をもつ大貫隆志さんは今回を報告書をこう評価しました。

大貫隆志さん 
「何があったのか、とても詳細に調べていると思うんですね、どうであったら、生徒が生き続けられたのか、そういった観点から見ていこうとして、必然的にボリュームが膨らんでいったと想像しています。最終的な責任は大人にあるんだ、この状況を変えていくのは我々なんだと強く訴えています」

「調査報告書はある意味市民の財産、日本の財産なんですね。ですから学校関係者のみならず多くの方にこの報告書を見ていただいて、どうしたら防げたのか、どうしたらこの生徒さんが今も生き続けられたのかという観点から読んでいただきたい」

生徒Aさんは、本来であれば今年の1月には二十歳を祝い、家族や友人らとその喜びを分かち合うはずでした。

Aさんの夢は教師になることでした。Aさんはどうしたら生き続けられたのか。報告書の「むすびにかえて」と記された章には、こんな一文が添えられています。

報告書の一文
「彼が生徒Aになってしまうことによって、告発した状況をかえるべく働くのは大人たちの責務である」