自動運転に気象データの解析 スマート農業の導入へ
生産者、研究機関、行政、メーカーらでつくる「ウフスマ・プロジェクト」のメンバーです。先端技術を活用した農業「スマート農業」の導入にむけて、2019年から実証実験を進めています。
農機販売くみき 仲本俊一さん
「屋根の上に、白いアンテナが、あれが受信装置ですね。衛星の」

そのひとつが「自動操舵システム」。設定したルートに従い自動運転で走行するものですが、畑をまっすぐ走行できる点が重要なんだそうです。畑は、うねりやくぼみがあるためハンドル操作が難しく、まっすぐ走行させるには熟練の技が必要でした。
亜熱帯バイオマス利用研究センター 上野正実理事長
「まっすぐ植えつけてないと、曲がっていたりすると、次の作業をするときに機械が入っていきにくい」

特に収穫に欠かせないハーベスターの操縦では、オペレーターはキビを切る高さ、刈り残しのチェック、さらに、伴走する運搬トラックとの調整も同時に行わなくてはなりません。
オペレーター
「常にまっすぐ走らせるという意識をもたなくても行ってくれるので、その点は楽になりました。作業の質が上がっているとは思います」
「農業経験の浅い人でも、機械を扱えるようになる」。その夢の実現まで、あと一歩です。
エーディエスエンジニア 池田剛さん
「こちらはですね、微気象観測装置と呼んでいるものでして」

プロジェクトでは、今、気象情報を味方につけたシステム作りに力を注いでいます。島内7か所に設置した装置で、半径1キロという狭いエリアの雨量や風速、湿度、日射量などの気象データを計測し、農家に情報提供しています。
年間の降水量が少なく、水が貴重な南大東では、農業用水の確保が課題でした。気象データを活用することで、農家が抱える長年の悩みを解消したいとプロジェクトメンバーが立ち上がったんです。