全国有数の温泉地、大分県別府市で高級ブランドホテル「御宿野乃別府」が10月17日にオープンします。市内ではホテルの進出が相次いでいて、競争が激化しています。
(安部記者)「JR別府駅にほど近い場所にまもなく『和』を全面に打ち出したホテルがオープンします」
別府市中心部にそびえ立つ地上13階建ての建物。10月17日に開業するホテル「御宿野乃(おんやどのの)別府」です。ビジネスホテルチェーンのドーミーインが運営を手がけるワンランク上のブランドで、九州では初めての出店となります。
野乃ブランドのコンセプトは日本の『和』。館内はリラックスして過ごせるよう全館が畳敷きとなっているほか、269ある客室はツイン、トリプル、ファミリーなど利用シーンに合わせて選べる7タイプが用意されています。

そして「野乃別府」一番の売りが最上階の13階にある天然温泉の大浴場。内湯・露天風呂ともに別府湾を眺めながら入浴できるのが特徴です。さらにセルフロウリュが可能な高温サウナも完備され、ゆったりと旅の疲れを癒すことができます。

(ドーミーイン事業本部・杉本翔副部長)「別府駅から徒歩1分と好立地で、大浴場もあるので、その点をメリットに利用して欲しい。別府でホテルを運営することは非常に重要と捉えている」
そもそも「野乃別府」が建つこちらの場所は近鉄百貨店の跡地でした。駅前の好立地とあって閉店した1994年から幾度となく活用策が検討されてきましたが、およそ30年経ってようやくホテルとして再出発することになります。

また駅周辺では近年、県外の大手企業によるホテルや旅館の進出が相次いでいます。「野乃別府」は韓国を中心とした海外からの富裕層をメインターゲットに据え、この熾烈な競争を勝ち抜く覚悟です。
(ドーミーイン事業本部・杉本翔副部長)「コロナが明けてから海外の観光客が増えている状況で、今後も飛行機の増便なども予想して団体の取り込みを積極的に行っている。インバウンドを含め、地元の人にも利用してもらえる施設を目指したい」
インバウンドの回復で反転攻勢を強める観光業界。ウィズコロナにおける別府のホテル競争はますます激化しそうです。