サイバー攻撃によるシステム障害から2か月が経ちました。アサヒグループホールディングスが初めて会見を開き、191万件を超える個人情報が漏えいした可能性があると明かしました。

埼玉県にあるスーパー。ビール売り場では、棚が空いているのが目立ちます。

新鮮市場 東本郷店 見崎弘之 副店長
「アサヒがサイバー攻撃で欠品がまだ続いている。在庫はまだ一切ない」

サイバー攻撃による「システム障害」の影響で、この2か月、品薄が続くアサヒビール。

この店では以前、ビール売り場の2割程度を占めていましたが、入荷が減ったことで5%ほどアサヒの面積が縮小。特に500ミリサイズのロング缶は入荷量が少なく、他社製品の割合を増やしても棚が空く状況です。

新鮮市場 東本郷店 見崎弘之 副店長
「穴がこういうふうに開いている状態のまま、自分たちも(アサヒ商品が)来るのを待っているような感じ」

こうした中、「システム障害」が起きてから2か月、ようやくアサヒが会見を開きました。

アサヒGHD 勝木敦志 社長
「システム障害によりまして、多くのお客様、関係先の皆様に多大なるご迷惑をおかけしていることを心よりお詫び申し上げます」

来週から順次、システムでの商品の受注を再開すると発表。

忘年会などで飲酒の機会が増える年末年始に向けて生産を増やす方針で、来年2月までには物流業務を通常の状態に戻すとしています。ただ、それでも全ての商品が出荷できないといいます。

一方、深刻なのは情報流出です。

アサヒGHD 勝木敦志 社長
「パスワードの脆弱性をついて、複数のサーバーへの侵入と偵察を繰り返したとみられる。脆弱であったのは間違いない」

個人情報の流出のおそれがあるのは191万件以上。これまでお客様相談室に問い合わせた顧客や取引先などの名前や住所、生年月日などが漏えいした可能性があるということです。

今回、アサヒは身代金要求型のサイバー攻撃を受けましたが、身代金は支払っていないとしています。

アサヒGHD 勝木敦志 社長
「経営として重大な責任を痛感しております」

アサヒは、業績への影響について「精査中」としていますが、業績悪化は避けられない見通しです。