大雨特別警報が発表され、記録的な豪雨に見舞われた大分県中津市と日田市。一夜が明け被害の実態が徐々に明らかになりました。河川の氾濫や土砂災害など大きな爪痕が残される現地を取材しました。

(安部記者)「豪雨から一夜明けた山国川です。県警の機動隊員が川の流域を入念に調べています」

中津市を流れる山国川では10日、軽乗用車に乗っていた近くに住む会社員・奥知恵美さん(58)が氾濫した川に流されたとみられています。警察や消防などは11日、朝から120人態勢で奥さんの行方がわからなくなった場所から下流に向かって川を捜索しました。

(知人の女性)「しっかり者だったからかわいそう見つかってほしいです」

11日の捜索では川の上流部からスマートフォンが見つかり、県が奥さんのものかどうか確認しています。記録的豪雨から一夜が明け、山国川沿いの被害も明らかになってきました。

(安部記者)「見てください。住宅が川の方に完全に倒れてしまっています」

(持ち主の男性)「50年くらいになるけど初めてですこんなことになるのは」

(住民)「気がついたらなかった感じで、想像できないですね」

本耶馬渓町の観光名所、「青の洞門」の周辺では床上浸水の被害を受けた店や住宅で朝から後片付けに追われていました。

(八尋記者)「耶馬溪焼きの店では水のかさが減ったものの、床がまだ汚れています」

(吉村松月園・吉村功さん)「中を見てみてください。ろくろとかひっくり返ったままです」

耶馬溪焼の窯元である吉村松月園では窯やろくろなど焼き物用の道具も浸水。120年の伝統が失われかねない被害で先行きが見えず途方に暮れています。

(吉村松月園・吉村功さん)「わたし4代目なんですよ。私で辞めたら先祖に申し訳ないので一生懸命するだけ逃げたらおしまいだからね」