この1年、大分県内で起きた出来事を振り返る回顧2022。13日は3年目を迎えた今も感染者が相次ぎ、影響が続く「新型コロナ」です。
コロナ禍3年目となった2022年。高校生たちが披露した書き初めには… 前の年はイベントの中止が相次いだことから、「楽しい」の一文字が選ばれました。
しかし、収束までの道のりは遠く…
(県福祉保健部・藤内修二理事)「ゲノム解析を昨日から実施して、オミクロン株疑いという結果が出ている」

(広瀬知事)「まん延防止等重点措置の適用を要請しようと」
1月25日からのおよそ1か月間、県内に初めてまん延防止等重点措置が適用されました。これによって、飲食店は営業時間の短縮を迫られ、観光地は人がまばらに…
関連業界は再び窮地に追い込まれました。
(おにやまホテル・衛藤昭治支配人)「先の見通しが立たない状態。お客様が来ない限り、いろいろな工夫をしてもコロナの感染者が減ることを祈るしかない」
コロナのあおりを受けて、日田市天瀬町のホテルは自己破産。負債総額は23億円を超え、県内最大の関連倒産となりました。
長引くと思われた第6波も春の到来とともにピークを越え、行動制限がない中で迎えたゴールデンウィーク。県内の観光地は3年ぶりの活気に包まれました。
(観光客)「ひさしぶりに来たので楽しい」「ここまで大分に人が集まって来ているのにびっくりした」
(県福祉保健部・藤内修二理事)「これまでにない規模の流行となっていて、本日の新規感染者は2142名と過去最多を更新した」
オミクロン株が亜種の「BA.5」に置き換わったことで、7月以降、感染者が爆発的に急増。“第7波”の到来です。8月17日には県内で過去最多となる3025人の陽性者が確認されました。
(病院スタッフ)「朝から電話が殺到して予約がいっぱいです」「当院もすでに受け付けが終了していまして」
医療機関はひっ迫。コロナ病床は満床に近い状態が続いたほか、発熱外来では受診を断るケースも発生しました。
(社会医療法人 三愛会・三島康典理事長)「看護師やスタッフがいない。業務が回らなくなっているのは間違いない」
また、保健所の業務も膨大に… 応援を投入してその場をしのぎましたが、これがのちの「全数把握の簡略化」につながります。
一方で加速したのはコロナのワクチン開発。オミクロン株対応や小児・乳幼児用のものなど、さまざまな種類が登場しました。
夏以降は恒例イベントの大分市の「府内戦紙」「本場鶴崎踊大会」、「ハロウイーン」。湯布院町の「牛喰い絶叫大会」、臼杵市では「うすき竹宵」が3年ぶりに開催され、夏の思い出として多くの人に元気と希望を与えてくれました。
学校現場も徐々にコロナ禍前の日常を取り戻しつつあります。小学校の運動会やAPU=立命館アジア太平洋大学では国際色豊かな学園祭も開かれました。
(インドの留学生)「すごく良い。ひさびさにAPUという感じがする」
また、小学校の修学旅行も復活しました。
(大分市立滝尾小学校の児童)「楽しみ、眠れなかった」「一生心に残るような思い出を作りたい」
一方、コロナ禍の2年半、苦難の連続だった観光業。10月からの全国旅行支援と外国人観光客の入国制限緩和が後押しし、回復への確かな足取りが見え始めています。
(別府市旅館ホテル組合連合会・西田陽一会長)「地域の皆さんと一緒になって元気に盛り上がって、復活ののろしをあげる良い機会になるのでは」
年末を前に感染が再び拡大し、依然として出口がなかなか見えない中、来年に向けて共存しながら、社会経済を取り戻す動きも一歩ずつ着実に前進しています。