「妻の悪化は、母につきっきりだった自分のせい」

公判の最後、裁判官から「何か言いたいことはないか」問われた男は、次のように述べた。

被告の男:
「介護などでストレスが極限に達しての犯行でした。ストレスの原因の一つは"現状と理想のギャップ"。『妻と母の介護は自分でやる』という理想がありました。妻の症状が悪化したことに伴い、自分自身も落ち込んでいき犯行に至った」

「約2年間母親につきっきりで、夜、妻を1人にすることが多かった。不安な時間を作ってしまった。これも症状が進行した理由なのではないかと思う」

どんな判決でも受け入れる

「『目標を落とす』ことも一つの選択肢でした。どちらも施設に預けるとか……。自分に対する『過信』がありました。人の意見をちゃんと聞き、客観的に自分を見るべきでした」

「弱い立場の人間を、自分の都合で(手を)かけてしまった。これは否定できない事実です。どんな判決でも、受け入れようと思っています」