出会いは乳児院 辛かった「8カ月間」とは

女の子とは長崎県内の乳児院で出会いました。

Q初めて会った時のことは覚えていますか?
母・千賀子さん:
「すごく可愛かったですよ、やっぱりちょっとね人見知りはあったんですけど、見た瞬間に『かわいい!』と思いました」

しかし、そこから面会を続けた8か月間が、阿部さんにとってとても辛い時間だったといいます。

母・千賀子さん:
「1週間に1回・1時間だけの面会とかなので、やっと慣れた頃に離れてまた次来るときにはまた慣れるところから始まるって感じで…。『今日も駄目だった』と言いながら主人と帰っていました」

それでもほぼ毎週女の子の元に通った阿部さんは、一緒に外出するなど心を通わせる時間を少しず積み重ね、女の子の里親になりました。

「4万2千人の子供が親と暮らせていない」という現実

現在、様々な理由で親と暮らせない子どもは全国で《およそ4万2千人》いるとされています。国は特定の大人と愛着関係を持ち、自己肯定感を育むなどの理由から、施設での養護よりも里親などの家庭養護を推進する方針を2016年に示しました。

しかし里親等委託率は伸び悩み、単純な比較はできないもののアメリカやカナダが80%を超えているのに対し日本は23.5%に留まっていて、さらに長崎県は19%と全国平均も下回っています。委託率が低い要因は何なのか?

長崎県里親育成センターすくすく 川口岩継代表:
「一般的には施設が少ない地域においては、里親等委託率が高い。長崎県の場合は乳児院が1ヶ所、児童養護施設が11ヶ所と充実しております。宗教的なカトリックとかそういったものをベースとした施設が多いというのも一つ言えるかと思います」