被爆体験者協議会・相談役を務める平野伸人さん。
被爆二世であり、在韓被爆者の支援や若い世代を前面に押し出した平和運動を先導してきた人で「高校生平和大使」「高校生一万人署名活動」の生みの親でもあります。

被爆体験者たちは2006年の最初の提訴にあたり、「助けて欲しい」と平野さんに頭を下げて支援を請いました。以来18年に渡って、平野さんは被爆体験者に関わるほぼすべての裁判、原告達の長崎市・長崎県・厚労省への申し入れに付き添い伴走してきました。

高齢化した原告に代わって上京し、厚労省や国会議員と折衝に当たったことは1度や2度ではありません。「当たって砕けろ」と年に数十回、公式・非公式で扉をたたき続けました。

全国被爆体験者協議会・相談役 平野伸人さん:
「糠に釘のくりかえし」
「厚労省の担当者はどんどん変わる。当事者を救おうという気持ちがないんですよ」

平野さんらの地道な要望活動の積み重ねはじわじわと行政を動かし、医療費対象疾病の拡大など少しずつ「被爆体験者制度」の充実を引き出してきました。2023年5月には超党派の国会議員で作る「被爆者問題議員懇談会」の発足にこぎつけ、求め続けてきた総理大臣への直接要望につながりました。

毎年行われている「被爆者団体」の総理要望の席に、去年は同席が認められなかったばかりか、長崎市は総理要望のライブ映像を市役所で流した場にも、被爆体験者を招きませんでした。