宮崎県高原町は、今月、町政に関して2つの大きな方針転換を示しました。
その方針転換が、「町立病院の事業縮小」と、小中学校の統廃合に伴って予定していた「新校舎建設計画の中断」です。
いずれも町民の生活に深く関わる方針転換となっています。高原町でいま何が起きているのでしょうか。
医師不足に3億円以上の赤字が続く厳しい財政状況
19日夜、高原町の公民館で開かれた町政報告会。
上後川内地区の住民およそ50人が参加し、高妻経信町長らが今回の方針転換について説明しました。
(高原町 高妻経信町長)
「常勤医師2人以上の体制が確保できなければ、令和6年3月末までに入院、および救急診療を休止すること」
町長がまず説明したのは、国民健康保険高原病院の事業縮小。
病院では昨年度まで、常勤医師が3人在籍していましたが、定年退職などが重なり今年度からは常勤が院長1人と、医師不足に陥っています。
さらに、病院では、外来患者の数がここ10年で46%減少。
2020年度以降は3億円以上の赤字が続くなど厳しい財政状況となっています。
このため、町は、もし、常勤医師が確保できたとしても、今後、病床数の削減を検討するなどして病院の運営形態を見直していくことを明らかにしました。
(高原町 高妻経信町長)
「将来にわたる本庁の財政状況や医師確保の状況を鑑みますと、医療機関の最後の砦としてして、外来診療のみを残す無床診療を見据える必要があると認識している」