「実際に観測されたという情報が入ってくるので情報がよりアップデートされる。そうすると沿岸にやってくる津波がどれくらいの高さになるかということもある程度正確に予想ができるので」—南海トラフ地震に備える新たな観測網の効果について、宮崎公立大学の山下裕亮 准教授はこう語ります。
南海トラフ海底地震津波観測網「N-net」の整備が完了し、14日に串間市で記念式典が開催されました。
約6年の歳月をかけて完成したこの観測網は、南海トラフ地震の想定震源域における「空白域」を解消し、私たちの防災体制に大きな前進をもたらします。
高精度な観測網が日向灘の海底に
「N-net」は高知県沖から日向灘の海底に整備された観測網で、地震計などを備えた2本の海底ケーブルを設置し、沖合で発生する地震や津波をいち早く検知するシステムです。

この観測網は沖合システムと沿岸システムから構成され、沖合システムは昨年7月に整備が完了し、沿岸システムも今月完成しました。

海底のケーブルは串間市と高知県にある陸上局に接続されています。陸上局内のサーバールームには約100台の機器が設置され、室温は23度程度に保たれています。

ここで海底から集められた様々なデータが処理され、関係機関へと送られていきます。