顔写真なし 名字のひらがな表記に
カスハラ対策は行政でも進められている。
新富町では、過去、職員が「死ね」などの暴言を浴びせられる事案や、個人情報を聞き出されるケースもあったという。

こうした中、今月から新たな取り組みを始めた。
(新富町総務課 黒木雅史係長)
「これまで顔写真付きのフルネームの名札を使っていたが、顔写真をなくし、名字のひらがな表記に統一しました」


窓口業務を担当する職員は…
(町民課職員)
「今まで住民の方とトラブルになったわけではないが、シンプルになっていいかなと思う」

(新富町総務課 黒木雅史係長)
「職員自身も一個人として、プライベートの部分もあったりするので、職務は職務としてもちろん名前表記は必要だが、必要最低限度の表記でいいのではないかという声もあり、そこに対しては一定の職員から評価をもらっているかなと思っています」

こうした取り組みは広がりをみせていて、調査班が県内26市町村に確認したところ、17市町は、名字のみを表記していることが分かった。
一方、比較的人口規模の小さい4町2村はフルネーム表記を採用。
「住民との距離感を重視していること」や、「同じ名字が多いこと」を理由にあげた。

新富町では、名札以外にもカスハラ対策を進めていて、今月、職員向けのカスハラ対応マニュアルを策定した。
(新富町総務課 黒木雅史係長)
「今後、職員の研修であったりですとか窓口で1人で対応して職員自身が困らないような複数人での対応などサポート体制の強化等を行っていきたい」


カスハラ行為の内容次第では刑事罰の対象に
こうしたカスハラは犯罪には当たらないんでしょうか?行き過ぎたカスハラは、法律で罪に問うことができるようです。
どのような行為が罪にあたるのか、弁護士に聞きました。
(ニューポート法律事務所宮崎オフィス 牟田圭佑弁護士)
「カスハラ自体に刑事罰が定められているわけではありませんが、カスハラ行為の内容次第では刑事罰の対象となることがあります。例えば、暴行に及んだら暴行罪、怪我をさせたら傷害罪、殺すぞとか、ネットに晒すぞなどと言っていったりとか、刃物を見せびらかしたりすると脅迫罪、そういった罪に該当することがあります」


こうしたカスハラ被害を警察や弁護士に相談する場合、証拠を残しておくことが重要だといいます。
(ニューポート法律事務所宮崎オフィス 牟田圭佑弁護士)
「録音とか録画は効果的です。手元にカメラがない場合、防犯カメラや監視カメラの映る場所で対応するというのも一つの方法です。それと対応した記録を残しておくということも重要です。いつ・誰が・どういう人と・どういう要求に対して、どのように対応したのか、そういった記録を作るということです」


また、牟田弁護士は「犯罪になるからカスハラをしてはいけない」ではなく、「他人に迷惑をかける行為はやってはいけない」ということを消費者が自覚すべきと話していました。

社会全体でカスハラを許さない機運の醸成が求められます。
※MRTテレビ「Check!」4月11日(金)放送分から