去年8月と今年1月発生した日向灘を震源とした地震では、いずれも「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。
こうした中、宮崎市で医療福祉関係者を対象にした「南海トラフ地震臨時情報」の研修会が宮崎市でありました。
(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「南海トラフ地震のときには2、3分揺れます。この前の(去年8月)地震はたった30秒です」
12日、開かれた研修会に参加したのは、医師や看護師、それに、介護福祉士など医療福祉の関係者などおよそ100人。
京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教が講師を務め、まず、「南海トラフ地震臨時情報」は、マグニチュード6.8以上の地震などが基準となり、その後の調査に応じて「巨大地震警戒」や「巨大地震注意」などが発表されるなど、基本的な流れを説明しました。
そして、参加者たちは、これまで発表されていない南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震警戒」が出された場合の対応について意見を交換しました。
(京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教)
「地震発生がもしかしたら近いかもしれないときに、だけど、平常時のみなさんがサービスをしないと困る人たちもいる。そういったときに、どっちも共倒れになってしまう可能性もある。そこをどう安全に確保するのか」
「巨大地震警戒」では、地震発生後の避難では間に合わない地域には事前避難が呼びかけられる可能性があり、参加者たちは施設の利用者をどのように説得して避難させるかや、避難所での生活支援などについて話し合いました。
(参加者)
「実際、どこに連絡をすればいいのかが全然分からないので、まずそこからかなと」
「正確な情報が欲しいし、どこからもらえばいいのか、そういったところが問題点だと感じた」
南海トラフ地震臨時情報は、これまで去年8月と今年1月の2回、発表され、去年8月は「巨大地震注意」が出されています。
【参考】
「巨大地震警戒」は想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュードとよばれるマグニチュードが8.0以上の地震が発生する可能性があると評価した場合、最短で2週間程度、地震発生後では避難が間に合わない住民に事前の避難を呼びかけるものです。

去年8月に発生した、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震では、日南市で震度6弱、宮崎市や都城市などで震度5強を観測し、気象庁は、初めて南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を発表しました。
今年1月の地震は、当初、マグニチュード6.9と発表され、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報調査中」を発表して「評価検討会」を開きましたが、「巨大地震の可能性が平常時と比べて相対的に高まったとは考えられない」として調査を終了しています。