ゆらぎ始めた“キンカンナマナマ”の意味
さて、そんなキンカンナマナマも、使われた範囲が狭かったことと、近年の温暖化による少雪傾向、消雪装置の普及などで体験することが少なくなったこともあり、次第に使われなくなっています。それとともに意味も少しずつ広がってきているようです。

北陸では東北のように気温が低いわけではないので、雪道がキンカンナマナマ状態になりやすいのは新雪が降った後で、当初はそういう新雪のイメージとナマナマが結びついたと考えていますが、今では、普通に雪道が凍った状態を指しても使う人がいますし、若い人の中には、雪と関係なく、道路の水が寒さで凍った状態までキンカンナマナマという人もいるようです。
使われる機会が減ったことで意味にゆれが生まれてきていると考えられます。
加藤和夫:福井県生まれの言語学者。金沢大学名誉教授。北陸の方言について長年研究。MROラジオで、方言や日本語に関する様々な話題を発信している。