店主の高齢化や後継者不足などによって、個人経営の店舗が次々と閉店する中、新規出店のマッチングや地域との交流を通してその魅力を維持しようと取り組む商店街を取材しました。

石川県金沢市寺町。

金沢三寺院群の中で最も規模が大きく、約70の寺院がある地域です。

寺町の中心を南北に通る「寺町通り」には、寺院が立ち並ぶ中に飲食店や個人商店など様々な店舗が軒を連ねます。
桂岩寺 蒲田敬章さん「寺町は元々は前田家の、お松の方様の参道としてこの寺町横断がありまして、昔はお松の方様をはじめ、前田家の方たち、また家老の方たちがお参りされる時にここを通られて、電車も通ったり、そういうことでお菓子屋さんが多かったり、花屋さんが多かったり、お宿があったり、映画館もあったり昔は本当に栄えていた」

大正10年から金沢市民の足として活躍していた路面電車。

当時の寺町の写真には、たくさんの店が並び、電車に乗ってくる人で賑わっている様子をうかがい知ることができます。当時を知る地元の人たちは…
住民「最高。もう、ここらみんな商売屋さんだった。近江町やら大和やらデパート行って買い物するよりも、商店街におればほとんど買い物できたもんね」「寂しいよね、やっぱりね。銀行もなくなったしね。交番所もなくなったし」「駐車場の問題もあるんじゃないですか?皆さん買い物行く時、駐車場のある所行くでしょう。で、買い物は皆さん車利用するでしょう。」

寿司割烹 小林松田隆店主「昔はみんな専門店があったもので、だから寺町はものすごい賑わいました。今は大きな量販店とかいろんなもんが出てきたもんで、押されてしまった。」

金沢の路面電車は、車の普及により1967年(昭和42年)に廃止され、駐車場を持たない店が多かった寺町の商店街には大きな影響が出ました。店主の高齢化や後継者不足、量販店の進出などにより、最盛期には120店舗以上あった個人商店は、今では約40店舗まで減少しました。
寺町台商興会 武藤清秀会長「高齢化によって、また後継者がいないことによって、お店を閉めるというのはこれはしょうがない、時代の流れだと思います。ですから、将来的にと言いますか、このまま住宅化したり駐車場だけになってしまえば街が死んでしまいますんで、やはり新しい人と言いますかね、新しい店が増えると良いなと思います。」












