当時の若者へライフスタイルを提案
雑誌に掲載された夢二のイラストからは、時代を風刺したもの、また読者へライフスタイルの提案をするようなものも多く見られます。
1916(大正5)年に雑誌「子供之友」に掲載された挿絵「お正月」には洋風の部屋で新年を迎えた家族の姿が描かれていますが、ここにも夢二の様々なこだわりが見えます。



夢二は身の回りの衣服や調度品について、気持ちよく便利に簡素になるようにと述べています。
着物については、夢二がデザインしたものを呉服店に持ち込み同じものを作ってほしいという人もいて当時の人々に多くの影響を与えていたことがうかがえます。
夢二は、当時の若者たちに自身のデザインを生活に取り入れられるよう図案を雑誌で提案しています。1915年の雑誌「新少女」では、手提げ袋と本ばさみの図案を提供し、その作り方を説明しています。

