能登半島地震では、ありとあらゆる多くのものが傷つき、失われました。思い出の詰まった時計もその一つです。壊れた時計だけでなく、持ち主の思いもよみがえらせる時計職人の仕事です。

時計の修理を行う時計職人、匠亞陀(たくみ・あだ)さん。文字通り「匠」です。

金沢市野町で時計の修理、販売を行う工房亞陀を開いています。

和時計師・匠亞陀さん「時計と会話しながらしゃべりながらやっている。時計見てると悪いところ教えてくれる」

父が開いた時計店を継ぎ、匠さんは今、柱時計や置き時計の修理を専門としています。倒れたり、落としたり、水に浸かったりして動かなくなったという時計は全国から届きます。

匠さんは、壊れたパーツを手に入れるため世界中のネットオークションで時計を落札したり、手に入らないパーツは自分で作ったりしています。まさに「匠」です。

和時計師・匠亞陀さん「みなさん本当に喜んでね、笑顔で帰られますよ。大事に風呂敷に抱えて帰る。『今度またうちに来るなよ』と嫁にやるような感じ」