「妊娠か将棋かどちらかを選ばなければいけない」。将棋のトップ女流棋士が規定の変更を求め会見です。
12月10日午前、50人以上の報道関係者の前にいたのは、将棋の女流棋士・福間香奈さん(33)です。
(女流棋士 福間香奈さん)「私にとっては将棋は全てであり、何にもかえがたいものであります」
8タイトルあるうち6つを保持する第一人者です。その福間さんが問題としているのが、「女流棋士公式戦 番勝負対局規定」です。
この規定はタイトル戦に臨む女流棋士が妊娠した場合、対局の日程が出産予定日から数えて産前6週から産後8週までの期間と1日でも重なれば、日程変更の対応はせず、その女流棋士はタイトル戦に出られなくなってしまうというものです。
去年12月に第一子を出産した福間さん。いずれは2人目も欲しいと考える中、この規定について…
(福間香奈さん)「対局か、妊娠するか。どちらかを選択しないといけないような状況」
日本将棋連盟は今年4月、女流棋士らに「公平かつ持続可能な対局環境を整えることが目的」と説明。
福間さんは変更を求め、連盟の理事に個別に訴えたりするなどしましたが、規定は一向に変わりませんでした。
(福間香奈さん)「本当に事実上の不戦敗であり、第二子は無理だと絶望的な気持ちになりました」
10日、福間さんは弁護士とともに記者会見を開き、「規定は妊娠・出産に伴う合理的な配慮がされていない」などと主張しました。
具体的に求めた変更内容は、「産前産後に予定されているタイトル戦の日程変更を可能にすること」、「産前6週・産後8週の期間であっても、医師の判断で出場を可能にすること」や「対局者変更がやむを得ない場合、暫定王者制度を設けること」などです。
(福間香奈さん)「将棋界の未来に強い不安があります。私自身のことのみならず、女流棋士がこれからますます活躍して将棋界を盛り上げてほしい」
福間さんは要望書を9日付けで日本将棋連盟に送付。
連盟はホームページで、「より柔軟に当事者の意思にそった対応が行える仕組みを検討しているところです」などとコメントしています。
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