被爆者の記憶を残す施設を でも実現はほど遠く…
ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、設立以降被爆者の証言や資料を保管、展示する拠点施設を作ることを目指しています。亡くなった岩佐さんのような証言をこれからもずっと残し、多くの人に知ってもらうためです。
会は東京・四谷に事務所を間借りする形で運営をしています。

ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会・伊藤和久事務局長「(拠点施設は)資料館的な機能と、それに触れた皆さんの活動や研究などの交流をする機能と、私どもの作業を進めるスタジオ的な機能などを兼ね備えたものとして想定をしている。そういうものを作るとなると東京に作るのがふさわしいというふうに考えていた」

ただ、都内で設ける予定だという拠点施設はまだできていません。そして、今後完成するめどもたっていません。
資金が足りないからです。
伊藤和久事務局長「一番は資金。我々が構想して建てて、どのぐらい資金が想定されるかというと、6億円という想定を当初していたが、それは変わらない」
会で想定しているのは500平方メートルほどの広さの施設ですが、東京都内で借りるとなると年間で2500万円ほどの見積もりになるそうです。
20年は見通していきたい考えがあるため、そうなると6億円の資金は必要だとしています。
伊藤和久事務局長「私どもの活動がだいたい1000万円程度の予算でしているので、それ以上の家賃が取られるということで、これを実現するにはかなりの資金を集めて、お願いをしないとなかなか実現しないので、ちょっと四苦八苦している」
会では、チャリティイベントや募金活動などを通して施設をつくるための資金を集めたいとしていますが、実現は厳しいと言わざるを得ない現状です。