2023年7月12日 石川県初の「線状降水帯」で7河川が氾濫
石川県ではこの日、大気の状態が非常に不安定になり、湿った空気が流れ込んだ影響で積乱雲が発達。午後8時ごろから、金沢市北部から内灘町、津幡町、かほく市にかけて、非常に激しい雨が降り続きました。かほくでは観測史上最大となる1時間に85.5ミリの猛烈な雨を記録しました。

そして午後9時39分、気象庁は「顕著な大雨に関する気象情報」を発表。2021年に運用を開始して以降、石川県で初めての「線状降水帯」が発生したのです。

この大雨で、津幡町やかほく市を中心に、石川県内7つの川が氾濫しました。そのうちの1つが、中村さんの自宅前を流れる能瀬川でした。
集落が濁流に飲まれる瞬間を捉えた河川カメラ
中村さんが住む津幡町中山では、30軒ほどの住宅が川を挟むように軒を連ねます。能瀬川にかかる中山橋には、石川県河川課の水位計と河川カメラが設置されていて、川が氾濫する様子が記録されていました。

7月12日の午後9時。能瀬川はすでに濁流となり、大きな流木も確認できますが、護岸の高さまではまだ50センチほど余裕がありました。
しかし水かさはどんどん増え続け、1時間後の午後10時には水が道路に溢れ氾濫。そしてさらに1時間後の午後11時には、濁流が住宅を飲み込んでいきました。

明かりがついている奥の2階建ての家が、中村さんの自宅でした。