倒壊した建物に人が集まり何やら作業をしていました。

「これ、何ですか?機械は…」

「(店の)レジ。(Q.お店か何かだったんですか?)お店」

こちらは食料品を扱う店舗兼住宅で、96歳の女性が1人で暮らしていた時に地震に見舞われました。

(若島貴之さん)
「祖母が(家の)中にいて、(倒壊後に)1人入れる空間があって、そこから、自力で潰れた2階の窓まで這い上がってきたんですよ。そこから助けを求めて、通行人の方がいたので、その人がそこから負ぶって出してくれた。『運良く』って感じですね、『よく生きていたな』と」

倒壊した家の中で、若島さんの祖母は固定電話の子機を手にし、その明かりを頼りに2階の窓まで這い上がったといいます。

その後、祖母は金沢市に避難し、日曜日のこの日は、親族らが倒壊した家の中からお金や書類など必要なものを探していました。

(若島貴之さん)
「家の絵を描いて、(祖母から)『あれはこの辺にあったと思う』というのを聞いて、入れるところは入って、入れんところは考えて…。必要なもの『あれが欲しい、これが欲しい』みたいなものは、(祖母のもとに)持って行って確認してもらうという作業を何度か。それの繰り返しですね」

おばあちゃんの大事な売り上げです。

この日の作業は和やかに進みましたが、「これから」のことについては課題だらけだといいます。

(若島貴之さん)
「困りごとが多すぎて、『何が一番困る?』という質問には答えられないですね。そういう人は多いと思います。『問い合わせてください』とか、そういうところ(窓口)も繋がりませんし、『方向性が出ない』というか。『避難してください』は簡単なんですけど、『その後』でみんな“手詰まり”というか、どうしていいかわからない、そういう状況だと思います。模索しているような感じです、『何ができるか』っていうのを」