今年一年を振り返るうえで外すことができないのが、物価高騰と値上げです。家庭でも、企業でも、様々な工夫と努力を続けた一年となりました。新たな制度を導入したところもあります。
「全部が値上がり。食品から家具家電に至るまで全然昔と違う」
「一番はガソリン価格。他の県に行くとガソリン価格がだいぶ違ってくるのでとても困っている」
「コンビニのひとつにしても多少変わったのかなという印象がある」
「卵が(10個で)180円ぐらいだったのが10個で300円もする。ちょっとびっくりしているので卵の値段をどうにかしてほしい」
毎月のように値上げが続いた今年。私たち消費者以外でも、打撃を受けているところは少なくありません。
(パティスリー+カフェ モンスリール 谷山公啓オーナーシェフ)
「去年の初めの方から少しずつ上がってきて、やっぱりチョコレート系だったり、チーズ、バター、小麦粉、卵などがこの1年半で1.3倍ぐらいになった」

高知市にあるケーキ店、パティスリー+カフェ モンスリール。数年前から、スイーツの原材料費のみならず、包装資材など、様々な物価の高騰に悩まされています。
(谷山シェフ)
「逆に上がってないものはないぐらい。ケーキを入れる箱一つにしても上がっているし、材料も1回チョコレート上がるとなって価格に転嫁しようとして、この1年半で4回5回上がってるものもあった。(ケーキの)値上げもこの1年半で2回3回した」

この時期大人気の「苺のタルト」も2年前と比べると、100円の値上げ。物価高騰、さらに気象条件による生産量の低下も影響しているといいます。それでも店では、できるだけ低価格で提供できるようケーキの切れ端を別のメニューに再利用するなど、努力を続けています。
(谷山シェフ)
「ケーキってちょっとしたご褒美に皆さん召し上がられたりすると思う。あまりにもそれが高すぎると日常的なものではなくなってしまう。どこまで上げれてどこまでをこちらで吸収するか、都度やっぱりそこで悩まされてる。ケーキは、食べるとやっぱり幸せになるものと僕は思っている。落ち込んだり嬉しいことがあったりしたときも皆さんでぜひこの甘いケーキを食べていただいて、幸せになってほしいなと思う」
こうした中、社員の福利厚生の一環で、企業年金制度を導入した企業もあります。パソコンやコピー機などのオフィス用品を販売・メンテナンスしているオフコムです。

(オフコム 松岡良展 社長)
「仕入れ価格が全般上昇してまして、それをすべて売価に反映できてないところが非常に困っています。海外メーカーのIT系の商材だと去年と比べて2倍の価格に上がっているものもあります」
物価高騰の中、これまでにも、社員たちの負担を減らそうとランチ補助やガソリン代の補助などをしてきました。しかし、福利厚生のさらなる充実と、新たな人材確保にもつなげようと、東京の企業が運営する確定給付企業年金制度を導入。給与の一部を「選択給」とすることで、給与として受け取るか、掛け金として積み立てるかを選べる制度で、掛け金は年金か退職金として受け取れます。

(松岡社長)
「世間で賃上げが取り上げられていると思うんですけど、それ以外のところで福利厚生策として何か社員の給料の手取りが増えるであるとか安定的な生活を送ってもらうために、何かないかなと探している時に銀行から紹介してもらい、非常にいい仕組みだなと思って導入しました」
税制の優遇措置もあるこの制度。オフコムでは、物価高騰が続く今の状況を耐え、「社員の生活も事業も守るすべを見つけていきたい」としています。
食料品、ライフライン、ガソリン、公共交通…様々な値上げに振り回される生活は、いつまで続くのでしょうか…