受け取り続けた年金・給付金は200万円近くに
検察の主張によりますと、母の死後、男は、2021年2月から2022年12月までの間、あわせて180万円あまりの母の年金と、年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」あわせて16万円あまりを、それぞれ受け取り続けていたとされています。

母の死後、年金だけで暮らしていた男のもとに郵便で「年金生活者支援給付金」の申請書類が届き、「出さないと母が亡くなっていることや不正受給がバレる」などと考え、男が自ら書類に記入し返送。そうして受け取った年金と給付金は、生活費にあて、ゲームの課金やタバコにも使っていたといいます。
――弁護人「当時の生活状況について教えてください」
「金はすべて生活費に使っていました。余った金は貯金に回せなかったです。タバコの量が増えて、お菓子も買っていましたが…」
――弁護人「生活保護という選択肢もあったのでは?」
「『生活保護』というのが…頭になかったです。」
――弁護人「もし生活保護などの支援制度を知っていたらどうしていましたか?」
「(母の死を確認した時に)119番して救急車を呼んでいたと思います。あとは警察にも連絡していたと思います。」
――検察官「ゲームやタバコにどれくらいのお金を使っていましたか?」
「ゲームは多い時で月に1万円くらい。タバコは月に2カートンから3カートンに増えたので…月5000円くらい増えたと思います。」
――検察官「年金をもらっても生活できていましたが、さらに給付金ももらおうとしたのですか?」
「はい。」
(弁護人の質問)
――弁護人「お母さんに対して、今、思うことはありますか?」
「母だけでなく、関係した皆さんに『申し訳なかった』と思います。母の遺骨は姉が弔ってくれたと聞いているので…いつか墓参りには行きたいと思います。」
――弁護人「今後はどうやって暮らしていきますか?」
「自宅で生活します。生活保護の申請をして…仕事はなかなか見つからないと思いますが、仕事を見つけていきたいです。もし仕事がなければ、どこかへ移住します」