19世紀末のイギリスで活躍した画家オーブリー・ビアズリーの企画展が、高知で開かれている。25年という短い生涯ながら、遺した作品は、世界中の画家・デザイナー、そして日本の「漫画」にも大きな影響を与えたと言われている。そんな“奇才”の世界観に迫っていく。

「僕が目指しているもの。それは、グロテスクだ。グロテスクでなければ、自分は何者でもない」

この言葉を遺したオーブリー・ビアズリー(1872-1898)は、19世紀末のヨーロッパで活躍した画家だ。本格的な画家としての活動は、20歳の時からの5年間だけだったが、才能あふれる作品は大勢の人を魅了した。

彼の作品の多くは詩や物語の挿絵のため、カラーのものはほとんどない。白黒の世界を描き続けた彼を、人々は「黒と白の巨匠」と呼んだ。

そのビアズリーの作品を展示する「異端の奇才 ビアズリー展」が、高知県立美術館で開かれている。国内3会場で開催される巡回展で、これまで東京・福岡で開催され、今回の高知が最後の開催地だ。

イギリス・ロンドンの「ヴィクトリア&アルバート博物館」が全面的に協力し、本場イギリスでも揃うことがない規模で、彼の作品が一同に会している。