1993年、タロー30歳の時、わんぱーくこうちアニマルランドがオープン。タローとミミは共に引っ越しましたが、2010年、長らく一緒に暮らしていたミミが心不全で死亡。結局2匹の間に子どもはできませんでした。

アニマルランドの歴史と共に歩んできたタローは、飼育されている動物の中で唯一、飼育員から「さん」付けで呼ばれているといいます。

▼和の森わんぱーくこうちアニマルランド
久川智恵美 飼育担当係長
「すごく動きがゆっくりになってきて、若いときはオラオラ系だったんですけど、すごく丸くなったので、飼育側の人間からすると年取ることはいいことだなと思います」

9月15日、敬老の日に合わせて長寿動物のお祝いイベントが行われ、詰めかけた大勢の子どもたちはタローの一挙手一投足に、熱い視線を送っていました。

ナシやリンゴ、ブドウなどの果物に加え、小松菜やネギといった野菜もプレゼントされ、タローは満足そう。

人間によって母親から引き離され、見ず知らずの土地に渡ったタロー。62年の生涯についてどう思っているかは、我々が知る由もありませんが、この日のタローからは少なくとも「怒り」や「悲しみ」の感情は見て取れず、穏やかな表情で、果物をほおばっていました。