1963年、アフリカの地で日本人に買われ、動物園を渡り歩いてきたチンパンジーが、高知市にいます。オスでは国内最高齢の推定62歳。昭和、平成、令和と半世紀以上を生き、酸いも甘いも経験したチンパンジーの生涯とは。

アフリカの港で売りに出されていた「タロー」

ナシを口にくわえながら、軽やかに木をよじ登るチンパンジー。高知市の、和の森わんぱーくこうちアニマルランドで飼育されている「タロー」です。

平均寿命が40~50歳といわれるチンパンジーですが、タローは推定62歳。オスのチンパンジーとしては国内最高齢です。もちろん、園で飼育されている動物の中でも、一番の古株。

わんぱーくこうちアニマルランドによると、タローは1963年、アフリカの港で売りに出されていたところを、かわいそうにと思った日本人船乗りに買われました。

日本の土を踏むことになったタローは、東京・多摩動物公園で暮らし始めます。ショーに出演し、人間のマネをするなどしていましたが、8歳ごろになると体が大きくなり、力も強くなったことからショーに出演できなくなり、他のチンパンジーが暮らす群れに入ることになりました。