
◆島井咲緒里さん
「例えば盤を見ているだけでも、自分の王様の“守り”を考えているか、相手の王様を見て“攻め”を考えているか、目線だけでもどう考えているのかわかりますし、手つきにも出るんですよ」
◆島井咲緒里さん
「将棋を指す時の音も、自信があったら『ピシッ!』という感じで『あぁ、優勢だと思ってそうだな』とか、『ぺちょ…』となっていたら『弱気で自信なさそうだな』とか。人間ドラマといいますか、そこにかける棋士の思いが、観てるだけでも表情とかで伝わってくる」
22歳の藤井聡太七冠など若手の活躍により、今、将棋ブームが広がりつつありますが、男性と女性のレベルには差があります。プロの区分でみると、男性の「棋士」はいますが、女性の「棋士」はいません。島井さんも持つ「女流棋士」の称号は、「棋士」とは別の女性限定制度なのです。

島井さんは、将棋が昔から「男性・年配のもの」というイメージがあり、特に地方ではそれが依然として強く残っていると話します。ただ、そうした中でも、島井さんは周りの大人たちに支えられ、高校生でプロデビューしました。
◆島井咲緒里さん
「私が小さい頃から将棋を高知県内の強い方に教わって、『女流棋士を目指します』と言った時も県内の強豪アマチュアが優しく教えてくださって、小さい頃から『咲緒里ちゃん』っていう感じで見守ってくださって…。私を育ててくれた皆さんや高知の将棋界に『恩返しをしたい』という気持ちはあります」