■四国初導入の“AI教習車”でコースへ
ドライバーがAI教習車に乗る際、助手席に指導員は乗らず、基本的に「1人」で運転することになります。車内のタブレットでコースを設定しスタートです。

(AI音声)
「前方のカーブを右折しましたら次の交差点を右折してください」
▼京面龍太郎アナウンサー「なんだか緊張しますね…」
「AI教習車」には自動車学校内のコースがデータで読み込まれていて、車の上に設置されたセンサーを使って高い精度で車の位置を把握することができます。

▼指導員(後部座席に乗車)
「画面に数字が書いてあるが、右側の数字が『右のタイヤから中央線まで何cmか』検定でもそうだが『何cm以上離れると減点』に」

▼京面アナウンサー
「すごいな…細かいところまでちゃんとAIが把握している…」
助手席に指導員がいないため、危険な時は、AIが補助ブレーキをかけます。
▼京面アナウンサー)
「例えば、クランクで曲がり切れず衝突しそうになった場合、AIが自動でブレーキを踏んでくれるらしいんですが…ちょっとやってみましょう…」

(警報音)
「後方を確認しハンドルを逆方向に回してバックして下さい」

▼京面アナウンサー
「すごい、今ブレーキを踏んでいなかったんですけどちゃんと止まりました。指導員と同じように止めてくれる」
衝突を回避するだけではありません。S字のカーブで、脱輪してみると…

(警報音)
「ブレーキペダルに足を置きシフトレバーを『R』に入れて下さい」
▼京面アナウンサー
「すごい…脱輪してもちゃんとAIが止めてくれる」
車が通った軌跡に加え運転中の姿勢や目線なども記録されます。これらは第1段階の修了検定と同じ60ほどの項目で評価され、運転後に映像で確認することができます。

京面アナウンサー
「AIが運転を指導したり補助ブレーキをかけたり、指導員としてはどう思う?」
一宮・高知県自動車学校 松岡伸治 指導員
「自分たちが(教習車に)乗らなくても(ブレーキを)かけてくれるので、やる側としては非常に有難い」
京面アナウンサー「すごい時代がやってきましたね」
一宮・高知県自動車学校 松岡伸治 指導員
「そうですね(笑)僕らがいらないくらい…」

ただ、今は免許を取得するための「教習」に「AI教習車」を使うことや、「AI教習車」が公道を走ることは、道路交通法で認められていません。このため、一宮・高知県自動車学校では、自動車学校内のコースでペーパードライバーの練習や企業などが行う運転研修を行う際に活用するということです。
▼一宮・高知県自動車学校 北村武士 指導員
「AI教習システムを手軽にやれるような時代に、これからなっていくのではないかと思うが、手軽にできるということは、安全運転に対する意識づけや技術・技能の向上というのが今後期待されるのではないか」


「AI教習車」だと1人で運転できるので、指導員を気にせず、変に緊張しなくて済むというメリットもあります。ただ現時点では、単位が認められる「教習」にAI教習車を使うこと、AI教習車が公道を走ること…は道路交通法で認められていません。
当面は、自動車学校のコースの中で、ある程度運転できる人が練習で使ったり、企業の運転研修で使ったりするということですが、法律が整備されれば「運転免許が1人で取れてしまう」時代がやってくるのかもしれません。