高知市で46年以上、人々の生活を支えてきたイオン高知旭町店が31日夜、一時休業に入りました。最後の営業となった31日、大勢のファンに見守られ、一旦、役目を終えました。時期や規模は未定ですが、この敷地では新たな商業施設が計画されています。

31日、午後5時ごろ、高知市旭町の「イオン高知旭町店」。およそ46年にわたって地域の人に愛されてきた店が、“最後の営業”を迎えようとしていました。

(ニチイ時代からの利用客)
「やっぱりさびしいですね。私が4歳の時にニチイができたので、ここが建って5年6年ぐらいから来ていました」

「イオン高知旭町店」は、1978年、「ニチイ高知ショッピングセンター」として開業しました。

当時の県民にとってまだ珍しかった、“複合商業施設”。その「ニチイ」時代には、10億円のダイヤモンドが装飾された“ケーキ”が展示されたことも…。“お高い”、いや、“お高すぎる”ケーキに、みなさん、釘付けです…。

そして、あの番組にも。

「歌って走ってキャラバンバン。ニチイでの大会、最初の方はこの方です」

“買い物”だけでなく、人々が“集う場”として、当時から大勢の人に親しまれていました。その後、1991年に、店の名前が変わりました。

「サティ」としての営業初日から大勢の人が店を訪れました。食料品や衣料品などが売られていて、当時の映像からは、いまと変わらない「商業施設の姿」がうかがえます。そして2011年に現在の「イオン高知旭町店」となりました。

「ニチイ」、「サティ」、そして「イオン」。およそ46年にわたって市民の生活を支えてきた店でしたが、建物の老朽化が進み、2024年10月、店の「一時休業」と建物の「取り壊し」が発表されていました。最後の営業日となった31日も、訪れた大勢の人が思い出の店舗で買い物をする姿がみられました。店舗の一角には、店へのメッセージを綴るスペースも設けられ、ねぎらいの言葉や青春の回想など、長年の感謝や思い出が記されていました。

(イオン高知旭町店 安並こゆき 店長)
「一時休業の発表をしてから、これだけ多くのお客様にお越しいただいて、このお店が非常に愛された店だということを改めて実感する月日でした。最後の最後まで、ご愛顧いただいたお客様に向かって、ご奉仕できるように今努めています」

営業終了1時間前には、食料品売り場の商品は、ほぼ空の状態に。

そして、営業終了時間の午後7時。買い物客が退店する際は、およそ500人に、スタッフから感謝の気持ちが込められた“花”が手渡されました。

営業終了から1時間経っても外には大勢の人が残り、それぞれの“記憶”に思いを馳せていました。

(青春時代にアルバイト)
「私たちの青春だったので、悲しいですよね。でも、ここから育って学んだこともあるし、本当にお世話になりました」

(ニチイ時代からの利用客)
「とにかくさびしいです。そして本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。こんなに広々して、お買い物だけではなくて食事も楽しめるし、娯楽・ゲームもできるところは、この近くにはありませんので」

(常連)
「(来店は)ほぼ毎日です。いつか戻ってくるのを待っています」

そして最後にはセレモニーが開かれました。自身も「高校生の時から店に通っていた」という安並こゆき店長が、最後まで集まった人たちに“感謝の思い”を述べました。

(安並こゆき 店長)
「46年もの間このお店が営業できたのは、ひとえにこの地域のお客様、周辺のお客様、そして応援してくださる皆様のおかげでございます」

普通の量販店以上の存在だった“旭のシンボル”が、“ファン”に見守られその役目を、一旦終えました。

「ありがとうございました!」